草場地芸術区@Beijing 2015/08

今や中国は世界有数IT立国。このVARTというアプリがあれば、近くのギャラリーで何をやっているのかがすぐにわかり、音声解説までついてる。美術館で有料、無料で借りることができる、あの「解説レコーダ」がスマホとネットがあれば不要で、さらに家でも復習ができるという優れものだ。

iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 VART 私人美术馆 - 全球博物馆艺术展览作品导览

今回、北京の草場地芸術区のギャラリーで個展、その先のスタジオで太宰写真展やっていることが判りさっそく行ってきた。

草場地芸術区は、北京市内から空港へ向かう高速と五環路が交わる場所に位置し、Downtownから車で15分ほど。いままで何度も空港へ向かう車の中から「このあたりのはずだよね~」と気になり、行きたいと思っていた場所。宿泊ホテルにレンタサイクルがあったので、スマホ地図を片手に、ブレーキの利きが悪く、おしりが固い自転車を操りながらの小旅行だった。

f:id:AKIRAstyle:20150904152613j:plainf:id:AKIRAstyle:20150904152614j:plain

周りはローカルな場所に突然現れる煉瓦つくりの建物。スマホ地図がないと、ギャラリーがどこかも判らなければ、たどり着いても、この中のでどこにギャラリースペースであるかも判りにくい。外から見ると、やっているのかやっていないのかも判らない。でもギャラリーの中では沢山の展示がされている。見る人が見てくれればいいという感覚。今や一大観光地となった798芸術区に比べると「静か」で「俗化してなく」すべてにおいて真逆だった。

f:id:AKIRAstyle:20150904152616j:plainf:id:AKIRAstyle:20150904152617j:plain

<<灰色レンガのギャラリー群>>    <<赤色レンガのギャラリー群>>

798の家賃が高騰してきたこともあり、新しいアートスペースはこちらの草場地芸術区へ作られることが多くなってきたとのこと。この建物は政府が作ったのだろうか?それとも民間なのだろうか?こんな「どLocalな場所」にいきなりこのような現代アート向けの箱をボンと立ててしまう中国Powerはすごさを実感。

北京オリンピックで「鳥の巣」などをデザインした艾未未のギャラリーがあることでも有名な場所であるそうだ。中国はアートと政治は紙一重。

艾未未 - Wikipedia

2000年には馮博一、華天雪とともにグループ展「不合作方式 Fuck Off」をキュレーション(企画)し、上海ビエンナーレにぶつけるように上海市内で開催した[10]。この展覧会は、肉体を酷使するパフォーマンスアーティストのみならず、人間の本物の死体を用いた作品を作るアーティストまでが登場する激しいものであった。

同じ2000年に、艾未未は北京北東郊外の大山子芸術区の近くに草場地芸術区(Caochangdi)を作り、そこに移転した[11]。これは新築の倉庫風の建物や再利用した古い倉庫にアトリエギャラリーなどを集積させた地域で、彼も自らのスタジオ「REAL/FAKE」をここに開いている。2011年4月に北京空港で勾留されたが、同年6月に保釈された[12]

f:id:AKIRAstyle:20150904152621j:plain

その後、自転車をさらにこぎ五環路を超えて、三影堂撮影芸術中心へ。ここは中国初の写真、映像専門の民間アートセンタだそうで2007年に設立されそうだ。

f:id:AKIRAstyle:20150904152619j:plainf:id:AKIRAstyle:20150904152620j:plain

ギャラリーの一つで、森山大道の太宰治写真展がやっていた。実は写真はあまり自分の中で上手ではなく、興味も薄いほうだ。でも、中国北京で彼の作品がお目にかかれたことは感慨深い。逆言えば今の自分にはそれしか感想が言えない。

森山大道が太宰治をオマージュした写真展「DAZAI」を開催、最新写真集のサイン会も | ニュース - ファッションプレス

日本で東京・神宮前のアートスペース“AM”で2014年12月に開催された写真展を、ここ北京でも開催している様子だ。最近、日本で見た企画展を中国でも開催されることがあることを知り、ひそかに感動したのを思い出した。世界はアートでつながっていて、国境はないこと改めて実感。